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「また、同じ夢を見ていた」住野よる ,ページ 133−150(第6)

「また、同じ夢を見ていた」住野よる ,ページ 133−150(第6)

One Straw Revolution

June 8, 202429m 40s

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Show Notes

133

数日間、学校に来なかった桐生くんのせいでペアがいなくなった私は、幸せとは何かの時間、ひとみ先生とペアを組みました。それは私にとって全然嫌なことではなく、むしろ楽しいことだったのですが、やっぱり私は桐生くんを取り巻く噂の正体が気になって仕方がありませんでした。なぜなら、もしああの噂が本当だとしたら、私はその場所を見たのかもしれないからです。それに、もう一度言いますが、私にはあの優しそうな桐生くんのお父さんさんがそんな悪いことをする人には見えませんでした。

久しぶりに桐生くんが学校に来たのは、あの日から、週末を挟んで六ひ目のことでした。私がいつものように、ひとみ先生が来るぎりぎりの時間に図書室からクラスにとことこと移動していると、桐生くんが下の階段からのぼってくるのが見えました。

「おはよう、桐生くん」

桐生くんが私と同じ高さのところまで来るのを持ってから声をかけると、彼は私に気がついていなかったのでしょう、本当にその場で跳び上がるほどびくっと肩を震わせて、大きな目でこちらを見えした。

「こ、こ、小柳さん」

「久しぶり。バカンスにでも行っていたの?」

そうならいい。私はそう思っていたのですが、桐生くんは俯いて何も答えませんでした。

「気持ちは分かるわ」

「。。。。」

134

「日本は暑いものね。私ももっと涼しいところに行きたい」

桐生くんは少しだけ顔を上げて私の顔を見ましたが、やっぱり何も言いませんでした。

私が教室に入ると、いつもの通り誰も何も言わなかったしこっちを見ることもしませんでした。でも、私の後ろから桐生くんが入ってくると、皆が自分達の話を止め、桐生くんを見たのです。

皆の視線は、こんな季節なあのに冷たい風のように感じられました。このままだと弱っちい桐生くんは凍えしまうんじゃにかしら。心配でしたが、そうならなかったのは、すぐにひとみ先生が教室に入ってきたからです。さすがはひとみ先生。先生が大きな声で挨拶をしながら入ってきて、皆がそっちを見た隙に私達は自分の席に座りました。

私は、ひとみ先生から桐生くんがどうして長く休んでいたのか、説明があるのだと思っていました。でもそんな話はなく、ひとみ先生はまるで桐生くんは一日も休んでいないのよ?という顔で朝の会をして、教室を出ていってしまいました。

「ひとみ先生!」

私は教室を出ていく先生の後を走って追いかけました。先生の名前を呼ぶと、先生はさっきの桐生くんみたいにはびっくりしませんでした。もしかしたら私が追いかけてくることを分かっていたのかもしれません。そして、私が質問したいことも。振り向いた先生は笑っていたけれど、私はその顔の奥に、大人が嫌な話をする時の真面目な顔を見たのです。

135

「どうしたの?小柳さん。次の算数の宿題の見直しは大丈夫?」

「ええ、完璧よ。ねえ先生、教えてほしことがあるの」

「何?」

「桐生くんのことよ」

言うと、ひとみせんせいは笑顔のまま自分の唇をむぎゅっと噛むで、わたhしを誰も使っていない端っこの教室の前へと連れて行きました。内緒の話は、嫌いじゃありません。

ひとみ先生は、じゃがみ込んで私の身長に体を合わせ、いつもとはまるで違う少しな声で囁きました。これまで何も教えてくれなかったひとみ先生が、やっと何かを教えてくれることになったのです。私は、一生懸命を傾けます。

「小柳さんは、学校に行きたくないって思ったことある?」

「そんなの、毎日よ。だけれど、賢くなるために来ているの。ひとみせいいにも会えるし」

私が正直に答えると、ひとみ先生は難しそうに笑いました。

「そう、じゃあ、一番来たくない日は、例えば夏休みの後とか、月曜日だったりとか、しない?」

136

誰かに、週末や夏休みが終わった後、何度も魔法が使えればいいのにと願っているので、私はひとみ繊維に対して頷きました。すると先生も頷いてくれました。

「そうでしょ、そういう時に学校に来るのは、凄く勇気と、心の力がいるの」

「それに、甘いお菓子もね」

「ねえ、そう。だから桐生くんは大切な用事があって学校を休んでいたんだけれど、今日久しぶりに学校に来たのは、凄く勇気と心の力がいることだったの。分かる?」

「分かるわ」

あのいくじなしの桐生くんなら、なおさらでしょう。

私が頷くと、ひとみ先生は嬉しそうに微笑みました。

「甘いお菓子は、先生が用意してあげられるかもしれない。でもね、桐生くんがこれからも今日の勇気と心の力を持っていられるためには、教室に味方がいるの。小柳さんには、桐生くんの味方でいてあげてほしいの」

「私、桐生くんの敵になったことなんでないわ」

「ええ、そうよね。だったら、そのままでいてあげればいい。いつもみたいに話しかけて、いつも見たいに隣に座って、いつも見たいに一緒に給食を食べればいい。出来る?」

「出来るわよ。、それくらい。桐生くん、頷に角が生えたわけじゃないもの」

137

先生はくすりと笑いました。その顔は、私があの授業参観で発表した時の顔にすごくよく似ていました。

「うん、小柳さんにお願いで来てよかった。もし、小柳さんが味方でいてあげても、桐生くんが幸そうだなって思ったら、先生にこっそり知らせて、桐生くんは、自分からは言いだせないかもしれないから」

「いくじなしだものね」

「そんなことない。今日来ることは、勇気のある子じゃないと出来ない」

桐生くんに勇気がある。ひとみ先生が言った中でそのことにだけは納得がいきませんでしたが、私は頷いて、その場はひとみ先生と別れました。

桐生くんの大切な用事というのはなんだったのだろう。私はそれを考えながら教室に帰りました。後で桐生くんに訊いてみることにします。ひとみせんせいはいつも通りに話しかけていいと言ったのだから、別にいいでしょう。

教室に入ると、教室内ではやっぱり桐生くんの周りには冷ややかな空気が流れているようでした。私はその空気を割り開くように、俯いた桐生くんに近づきます。

「失礼するわ」

そう行って私は桐生くんの垂れた全髪を勝手にかきあげました。桐生くんはとてもびくりしたようでしたが、私はきちんと断りは入れたので、しっかりと彼のおでことを見ます。

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「ひとみ先生があんまり真面目そうな顔をするから本当に角が生えたのかもと思ったのよ。生えてないならいいわ。突然ごめんさい」

きちんと説明したのに、桐生くんはびっくりと不思議の混ざった目をやめませんでした。その顔はやっぱり、いつもの勇気のない桐生くんのままでした。

私は、桐生くんの大切な用事について、帰る時に訊いてみることに決めました。私はいつも帰る時は一人だし、桐生くんも帰る時はいつも一人だからです。その時に少しだけ呼ぶとめて話を開けばいい。

そう、つまり、ままならない。

「おい、お前のお父ちゃん、泥棒したんだろ」

「それは昼休みのことでした。給食の時間が終わってひとみ先生がいなくなり、クラス内が騒がしくなると、校庭に遊びに行く子達や、音楽室にピアノを弾きに行く子達とは別に、数人が桐生くんのところへと寄ってきたのです。その数人とは、あの馬鹿な男子達でした。

(139)

私は、飛んでくる泥水は自分の手で振り払う女の子です。だけれど、その時はまだ、ひとまず成り行きを見守ることにしました。桐生くんのお父さんの噂、本当でも嘘でも、きっとこれから桐生くんは嫌なことを言われると言う子はわかっていました。でももし、桐生くんに勇気があるなら、自分できちんと言い返せるだろうと考えたのです。だから、桐生くんの答えを聞くために、喧嘩するのを待ったのです。

なのに、桐生くんはいつも通り俯くだけで何も答えませんでした。それはいけない。私は思いました。馬鹿というのは、相手が言い返さないと知ると、自分の方が強いと勘違いしてしまうくらい馬鹿なのですから。

「うちのおかちゃんが言ってだぞ、桐生んとこのお父ちゃんが2丁目のスーパーで泥棒し警察に捕まったって」

私は、桐生くんの横顔を見ながら考えました。やっぱり、噂では私が見たあれが、桐生くんのお父さんってことになってるんnだって。でも、まだ真実かはわかりません。

桐生くんは何も言わず、誰の方も見ずに俯いていました。

それが馬鹿にh機に入らなかったのかもしらません。

「やっぱ、変な絵描いてるような奴の父ちゃんは悪い奴なんだな」

140

「。。。」

「そういや、この前高橋の定規がなくなったの、お前のせいじゃねえのか」

「。。。」

「泥棒の子どもは泥棒なんだな、やっぱり。桐生のことみたいな家族に生まれなくでよかったぜ」

ああ、持ってあげられなくてごめんなさい桐生くん、なんて、私は全て思いませんでした。

「やっぱり、なんて馬鹿なのかしら」

馬鹿な男子達の目が、いっせいに私に集まりました。

「あれ?私、誰のことを馬鹿って呼んだのかいったかしら?自分達でわかっているのね」

「ああ?」

男子達、特に先頭の馬鹿が私のことを睨みつけます。ちっとも。怖くありません。そんなことよりも私は、桐生くんに対する一つの気持ちが大きくて、そっちが気になって、だから男子達への悪口は八つ当たりみたいなものでした。

本当は大声で桐生くんに対して言いたかったのです。

141

この、いくじなしっ

「泥棒の子どもが泥棒?なんの根拠もないわね。もしかしてあなたは泥棒っていうのを生き物の名前か何かだって思っているの?もしあなたのその考えを使うのなら、あんたのお父さんもあんたと同じで馬鹿だってことになるわね。だけど馬鹿じゃないわ。あなたみたいな馬鹿をちゃんと育てたんだもの。じゃあきっとあなたが勝手に馬鹿になったのね。こーんな馬鹿な子どもおを持って、お父さんとお母さんがかわいそう」

男の子の顔はどんどんと真赤になっていきました。怒っているのです。反応まで馬鹿。だけど、まだその反応の方が、大切なものや大切な人の悪口を言われても怒れない桐生くんよりはマシだと思いました。私が桐生くんに対してそれを言わなかったのは、ひとみ先生と約束が私の口を止めたからです。

馬鹿な男子達は、今にも何かを私に投げつけ的そうな様子でした。でも、私は彼らと違ってかしこいから、投げる言葉にまだまだだ手持ちがあります。

「大体、桐生くんのお父さんが泥棒をしたって、ただの噂でしょ。噂をなんの考えもなく信じちゃうなんて、やっぱり馬鹿ね」

「見たって奴が」

「あんたがその目で見たんじゃないわよね。じゃあ、その人が見違えたのかもしれないわ、勘違いをしたのかもしれないわ」

142

「お前には関係ねえだろ」

「あら、あなただって関係ないでしょ?それに、もし本当だったとしても」

私があり余る言葉を口から溢れさせていた、その時でした。

「やめてよ!」

大きな声が、教室の中に響きました。私は、その大きな声を出したのが誰なのか、最初わかりませんでした。私の声じゃない。馬鹿な男子の声でもない。聞いたことのない、声。

それが桐生くんのものだと気がついた頃、私と男子の間に座っていた桐生くんが、どうしてか、自分を攻撃する男子達ではなく、悲しそうな目で、私の方を見ていることにも気がつきました。

つまりそう、桐生くんは、私に「やめてよ」と言ったのです。

私がどうして桐生くんがそんなことを言うのかわからずにいると、桐生くんはその場で乱暴に立ち上がりました。椅子が倒れて、耳を塞ぎたくなる音が響きます。

そして桐生くんは椅子の音が鳴り止まないうちに何も言わずに教室を出て行ってしまったのです。その後は私だけじゃなく、クラスの中の誰もが黙ってしまっていました。きっと、黒板や机や椅子も、黙ってしまっていました。それくらい、クラスの中は静かになりました。

143

昼休みが終わって、5時間目が来ても、桐生くんは教室に帰っては来ませんでした。帰りの絵が終わっても、桐生くんは帰ってきませんでした。

私はひとみ先生に呼ばれ、昼休みにあったことを正直に話しました。私は桐生くんの代わりに喧嘩をしたのに、桐生くんが出ていく時に睨みつけていたのは私だったことも、正直に話しました。どうすればいいのかひとみ先生に相談すると、先生にこれから桐生くんと話してみるから、それからまた考えましょうと言って、私は帰されてしまいました。

次の日、学校に行っても、桐生くんはいませんでした。

その次の日も、次の日も。

ある日、またひとみ先生に呼ばれ、桐生くんはしばらく学校に来ないということを考えてもらいました。ひとみ先生は「小柳さんのせいじゃないから気にしないで」と優しく言いました。でも私は知っていました。大人がそういう言い方をする時の本当の意味は、「全部は悪くないけど責任はある」だってことを。

私は、桐生くんの代わりをしてあげただけなのに。やっぱり、ひとみ先生はちょっと的外れだと、そう思いました。

145

お父さんなら、スーパーのものなんて何でも買えるはずです。あそこで、一番高いものは、きっとあの四角いスイカのはずだから。

「アバズレさんは、何か分かる?どうして、そんなことをしたのか、とか」

私は最初、ちっちゃな頭でそのことばかりを考えていました。どうして、どうして。その言葉ばっかりが頭の中を回ります。どうしてあんなことをしたのか、どうしてあの時桐生くんは私を見たのか。

それを、大人であるアバズレさんが分かるなら考えてもらおうと思ったのです。

でも、アバズレさんは首を横に振りました。

「さあ、どうだろう」

アバズレさんに分からなら、私がいくら考えても分からないかもしれない。私は少し、がっかりしました。

「だから。。。これはただの想像になるんだけど」

「え?」

「ただの私の想像。真実じゃあない。それでも聞きたい?」

「ええ、教えて」

「多分、その人、泥棒をした人は終わらせたかったんだ」

146

「終わらせたかったって、何を?」

「この日常を、なんでもいいから、この連続する日々を終わらせたかった」

「よく、分からないわ」

アバズレさんは、少しだけ笑って、「うん」と頷きました。

「分からなくていい、お嬢ちゃんは、知らなくていい」

「アバズレさんは、分かるの?」

アバズレさんは、答えてはくれませんでした。その代わり、私にゼリーを食べるかと訊きました。私は喜んでミカンのゼリーを貰いましたが、不思議です。前に食べた時より、味が薄く感じられました。

私は、泥棒さんのことの他に、もう一つの悩みであるクラスメイトの男の子についても話しました。とてもいくじゃなしな子だから、代わりに喧嘩をしてあげたら、彼は私に怒ったのだと、話をしました。それがどうしてかわからないことも、学校に気なくなったクラスメイトにどうしてあげればいいのか分からないことも。

ひとみ先生の言う通り、味方になってあげたのに。

私が話すと、とても真面目な悩みなのにあアバズレさんはくすりと笑いました。何かをジョーク勘違いされたのかしら、私が首を傾げると、アバズレさんは笑いながら「ごめんごめん」と言いました。

23:49

147

「いやね、私も子供のごろ、お嬢ちゃんに似てたんだ。気に入らなかったら、本人よりも先に喧嘩を始める。どっちかって言うと、言い返さないその子にムカついてね」

「まさにそのままだわ」

私は、子供の頃のアバズレさんと似ているということをとても嬉しく思いました。そして、アバズレさんの子どもの頃のことを知れたくもなりました。どんな家族がいたのかしら。どんな友達がいたのかしら。私みたいに決まった口癖はあったのかしら。

「私も、お嬢ちゃんみたいにすぐ口に出しちゃうタイプだったからな。お嬢ちゃんを睨んだ子の気持ちを、きちんとは分からない。考えることは出来るけど、それがあっているのかも、分からない」

「よかったらその考えを、聞かせてほしいの」

私のお願いに、アバズレさんは「んー?」と首を傾げました。

「いいや、教えない」

「どうして?」

「お嬢ちゃんは、そのクラスの子と、仲直りしたいんだろう」

「どうかしら、元々、直るほど仲が良くもなかったし」

148

アバズレさんはまたくすくすと笑いながら、「ホント似てるね」と私に聞こえるか聞こえないくらいで咳きました。

「仲直りしたいと思わなきゃ、そんなにその子の気持ちを考えないよ」

それは、そうなのかも知れないと思いました。

どうして自分がこんなにも考えちるのか、分からなかったので、それは朝どいい考えのように思えました。

「せっかくそこまで考えてるんだから、お嬢ちゃんなりの答えを出して、どうするのか決めるべきだ。だから、わたhしの考えは教えない」

アバズレさんはいたずらっ子みたいな顔をして、口の前に人差し指でバッテンを作ります。そのバッテンの奥で、アバズレさんは「私は諦めちゃったたから」と聞こえるか聞こえないかくらいで咳きました。

「分かったわ。自分で考える。でも、人生とはくじゃくの求愛みたいなものよ?」

「どういう意味?」

「いるのよ、ヒントはね」

私が指文字を空気の上に書くと、アバズレさんは私の言いたいことをすぐに分かってくれたようです。

「品と羽か。相変わらずかしこい」と私を褒めてくれました。

「ヒントね。じゃあ、答えのヒントじゃなくて、考え方のヒントをあげよう」

149

「うん」

「いいかい」

アバズレさんは人差し指を立てて私に唇を寄せしました。私は、大人っぱい口紅の塗られた唇にドキっとしちゃいましたが、きちんと耳をそばだてます。

「皆、違う。でも、指、同じなんだ」

「へ?」

アバズレさんが言ったことに、私は変な顔をしてしまいました。唇を尖らせて眉毛をへにゃっとさせて、その顔が面白かったのでしょう。アバズレさんは笑いました。きっと私が鏡を見ても笑ったと思います。

だけど、私の顔よりもお菓子かったのは、アバズレさんの出してヒントです。

「それはおかしいわ、アバズレさん、それは、あれよ、最強の矛と最強の楯のお話よ」

「矛盾ね」

「そうそれ、違うのに、同じなんて。。。」

私は少しい頭の中がぐるぐると回って、目の回してしましいそうでした。

「そう、おかしいよね。だからこのヒントは、ただの考え方のヒントだよ。もうちょっと踏み込んであげよう。おじょちゃんは子供、私は大人、でも、二人ともオセロが好きだ」

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「んー、もっともっと考える必要がありそうね。」

アバズレさんは、深く深くきました。

「ああ、考えて考えて、お嬢ちゃんなりの答えを出すんだ。私は、それに気がつくのに、時間がかかりすぎた。お嬢ちゃんは賢いく優しいから、きっと大丈夫」

「アバズレさんになかなk分からなかったことが、私に分かるのかしら」

「大丈夫。そうだ。おばあちゃんなら、私なんかよりもいいヒントをたくれるかも知れないよ。相談してみるといい」

「じゃあ。明日行ってみるわ。雨の日は、おばあちゃんの家には行かないことにしてているの。泥だらけになっちゃうから」

アバズレさんは優しく笑いながら、窓から空を見上げました。

「明日は、晴れるといいね」

私も、本当にそう思いました。

次の日、私とアバズレさんの願いが通じたのでしょう、空は太陽さんの光をまくべんなく地球に配っていました。濡れた土も、小学校が終わる頃には固まって、私のお気に入りの靴も、尻尾のちぎれた毛皮のコートも汚れることはありませんでした。丘のしたの公園から、石の坂をのぼっていきます。晴れることはうれししいのですが、毎日どんどん暑くなっていて、私は全身から汗を流してひから日てしまうんじゃないかと心配します。おばちゃんの家までの道がし縮んでしまうような魔法を使おうとしたのですが、魔法を使えないことをすぐに思い出しました。

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