
フェイクニュースの作られ方――日本から台湾に贈呈されたコロナワクチンをめぐって(2021年6月10日台湾通信webradio)
台湾通信webradio · 早田健文/本田善彦
Audio is streamed directly from the publisher (m.cdn.firstory.me) as published in their RSS feed. Play Podcasts does not host this file. Rights-holders can request removal through the copyright & takedown page.
Show Notes
2021年6月10日台湾通信webradio
【フェイクニュースの作られ方――日本から台湾に贈呈されたコロナワクチンをめぐって】
6月4日、日本から台湾に124万回分の新型コロナワクチンが無償で提供、ワクチン調達で躓いた台湾にとって「恵みの雨」に。しかし日本からのワクチン提供を巡り、6月7日以降、日本の茂木(もてぎ)外相の国会答弁の映像とともにフェイク情報が広く流布。
フェイクの内容「日本の外相が国会で、なぜ台湾に124万万回分しか提供しなかったのか、と質問を受け、台湾の政府から多くは必要ない、6月をしのぐことさえできればいい、7月には自分たちでワクチンの生産を始めるから」
ニュース映像にある茂木氏の実際の発言は「台湾国内におきましては、7月以降はですね、国内での生産体制というの、またあのかなり整ってくると考えておりまして、当面の緊急のニーズと、いうのが、台湾にある、このような認識でおります」
フェイクの生まれた背景:
1.蔡英文政権が7月の国産ワクチン接種の計画を公表。
2.陳時中・衛生福利部長兼中央感染症指揮センター指揮官が、日米からのワクチン提供が決まる前の6月1日、「6月下旬に200万回分のワクチンが台湾に届く」と発言。
3.日米両国の提供するワクチンが合計で約200万回分。
これらの報道や数字を組み合わせ、「台湾製ワクチンを住民に打たせたい蔡政権が、日米からあえて多くのワクチン提供を受けず、7月まで持たせた上で、国産ワクチン実用化を図りたい」との陰謀論が浮上。
背景には当局に対する不満と不信。蔡政権と周辺が、国産ワクチンの膨大な利益に群がっているなどの伝聞が広まりやすい空気。
自民党外交部会長の佐藤正久氏、6月5日の案組出演で「5月下旬に100万回分の提供要請が台湾側から正式にあった」と説明。「日本政府と自民党の関係議員が協力し、最終的に24万回分を上積みして実現」と強調。100万回分の要望が台湾から寄せられたという事実も、フェイクを補強?
コロナ感染者急増当初の5月中旬、民進党立法委員が自主ロックダウン状態で人通りの消えた台湾の写真が紹介された日本のサイトを、「日本のニュースメディアが台湾の奇跡だと報じている」と紹介、後にフェイクと指摘を受けたことも。「親日的」と言われる台湾だが、政治目的や宣伝効果を見込んで、日本やそのイメージを利用する傾向は珍しくない。
フェイク場を巡り政争、与野党双方非難の応酬。分断した世論は「信じる者は信じ、信じないものは信じない」の傾向。
茂木外相、答弁のなかで「台湾国内」と発言。台湾内部でも話題に。東海大学日本研究センター・陳永峰主任:尋常ではない。日本の今後の台湾に対する見方にとって重要な分水嶺になる。
基督教輔仁大学・何思慎教授、日本の官僚は台湾問題の答弁で細心の注意、日本の外交的立場から離れることはなく、日本の態度変更を示すものではない。
菅義偉首相、6月9日の党首討論で、海外の新型コロナ対策事例に豪州やニュージーランド、台湾を挙げ、「3国は強い私権制限を行っている」と発言、立憲民主党の枝野代表も、台湾の名を挙げた感染拡大の抑止に「成功している国」と表現。
菅・茂木の両氏だけなら、政府方針変更の予兆と想像も可能、しかし野党関係者の発言もあり、単に空気や雰囲気に流された可能性も。中共にとって台湾問題は教義や妥協の余地のない「核心的利益」、台湾問題で譲歩は考えられない。茂木発言の真意や当局の思惑など、今後も要注目。
茂木発言のフェイク情報から見えた三点。
1.台湾社会の政治的分断と対立の深さを再認識。自分の支持する政党や政治家は盲目的に支持するが、政敵には最大の悪意と敵意で疑いの目を向ける、政治的立場を異にする同胞を仇敵視し合う社会。
2.日本に対する複雑な感情。「親日的」と言われる台湾の人々だが、政治目的や宣伝効果を見込んで日本やそのイメージを利用、日本は表現な主張を行う上での方便。関心の対象は日本ではなく自分自身。
3.コロナ感染急増に対する恐怖感と、今日の事態を招いた政権当局に対する失望や憤り。政権支持者の間でも、「コロナ対策の優等生」のイメージが崩れたへの焦りや苛立ち。「日本には感謝。しかし今日の局面がなぜ生まれたのか」という情緒。一集的想法: https://open.firstory.me/user/ckzuv0igg0edi0924qk6rd3e7/comments
Powered by Firstory Hosting